相続対策
生前贈与?相続?
年末になると必ずといっていいほど贈与のご相談は増えます。
相続税の基礎控除が変更になった平成27年から年月が経ち、相続税は普通のご家庭でも他人事ではない存在になりました。
「家族の相続で相続税を支払った」「相続税は払ってないけど税務署での申告はした」といったご友人同士の会話がありご相談に見える方もいらっしゃいます。
①生前贈与
Aさん「この土地をBさんにあげるよ」
Bさん「ありがとう、受け取ります」
この口約束で法律上はOK。
でも実際には印紙(200円)を貼った贈与契約書を作り、登記上の名義も変更します。そうでなければ、Bさんが次にだれかに譲渡or相続させるなどの際に、客観的にBさんが所有者であることを証明できるものが何もないからです。
登記上の名義変更はかならず!
生前贈与で毎年少しずつ家族に資産を分配し、ご自身の財産を減らすことで将来支払う相続税を抑えよう、というのが「暦年贈与」です。
ただし、この暦年贈与は相続発生の3年前は意味のないものになってしまったり、税務署から指摘されることが多いことでも有名。
必ず税理士など専門家に相談してから手続きされることをお勧めします。
そして将来的にBさんがその不動産を譲渡した際には「もうけ」に対して税金が課されますが、Bさんが贈与によってその不動産を取得した場合には、元の所有者であるAさんが購入したときの取得価額を引き継いで「もうけがいくらになるか」を計算します。
Aさんが購入した際の領収書などを持っていればあわせてもらっておきましょう。
Aさんの購入時期によってはこの領収書の有り無しで将来Bさんが支払う税金が大きく変わります。
次に「贈与税」を考えます。贈与税は一般的に相続税より高いとされていますが、年間110万円の基礎控除や相続時精算課税制度など、贈与税を抑える制度があります。
冒頭に年末になると贈与の相談が増えると書きましたが、この年間110万円の「年間」というのが1月1日~12月31日で計算されるので年末にかけて駆け込みのご相談が増えるのです。
②相続(遺言書あり)
遺言書によって「この不動産をBさんへ相続させる(法定相続人への相続の場合)」という趣旨で書けばOK 遺言書はご自身で書いた自筆遺言、公証役場で書いた公正証書遺言どちらでもOK 近年は公正証書遺言を書く方が多いです。
でも、「そこまでは…」といった方には、
自筆証書遺言を法務局で預かってくれるサービスがあります。
遺言書の最低限の形式的なチェックをしてくれたり、紛失や発見されないリスクに備えられます。
③相続(遺言書なし)
Aさん亡き後、Bさんとその他相続人の方が話合い(遺産分割協議)、書面にまとめたうえで登記上の名義変更をします。
話合いがうまくいかない場合には、ほかの相続人との共有名義になったり、家庭裁判所を巻き込んでの手続きになります。
日本にはその昔、長男がすべての財産を受け継ぐ「家督相続」という考えがありました。今もそのようなお考えの方は年配の方によく見られます。
ただ、その考えは現在の民法においては自然には認められません。相続人になられるであろう家族が複数人いるなか、特定の不動産を特定の誰かだけに相続させたいなら方法は2つ
①遺言書を書く(この場合も「遺留分」に配慮が必要です)
②遺されたご家族が家長亡きあとも変わらずその考えに理解を示し話し合う(祈るのみ!)
おまけ 相続登記が義務になります。
相続による名義変更には令和4年現在、登記の義務も期限もありません。
ただし、令和6年4月1日より「相続があったことを知った日から3年以内」に相続登記をしなければならなくなります。
これは、相続によって誰が所有者かわからない不動産が日本全国にあふれてしまったためでしょう。
弊所では
- 【生前贈与】
- 生前贈与契約のアドバイス&契約書作成&名義変更登記
- 【相続】
- 遺言書作成 or 遺産分割協議書作成 と名義変更登記
をサポートします。
遺言書は公正証書遺言・自筆証書遺言ともにご相談を承ります。
税金に関するご相談は税理士をご紹介することもできます。
お気軽にどうぞ。